半導体株調査部

半導体株の分析と投資実践

5Gの恩恵を受けるアドバンテスト株について徹底解説

みなさん、こんにちは。

今回はアドバンテスト株についてご紹介していきたいと思います。

目次
  • 何をしている会社か?
  • 顧客は誰?
  • 競合はどんな会社?
  • アンリツとの違いは?
  • アドバンテストの強みは?
  • 成長ポテンシャルは?
  • リスクは一体?

 

アドバンテストの魅力

 アドバンテストは、これから拡大していく半導体市場の影響を受ける企業の中でも、

5Gの恩恵を受けやすいというところで有望な会社です。

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こちらが過去5年の株価の推移です。

2019年のはじめ頃まで2,000円程度で推移していましたが、2020年にかけて6,000円まで株価は伸びました。

 

何をしている会社?

 

半導体の製造ラインで使われるテスターという商品を作っています。

テスターとは半導体が設計された通りの機能を果たすか、電機的な特製を有しているかの性能を検査する装置です

テスターには大きく2種類あり、メモリテスタ(テスタの売上の30%〜40%)とSoCテスタ(テスタ売上の60%〜70%)があります。

アドバンテストはもともとメモリテスタが強かったのですが、近年はSoCテスタの売上が伸びています。SoCテスタについては自社製品の他に、Verigy(アメリカ)を2012年に買収した結果製造がより盛んになり、SoCテスタの売上が伸びたという形になります。

 

顧客は?

アドバンテストの顧客は大きく2種類に分かれます。

 ①半導体メーカー

サムスンなどの半導体製造会社にテスターを買ってもらい、製造ラインの一部にアドバンテストの製品置いて半導体を検査する

②半導体のパッケージング業者

半導体業界ではテストとパッケージングのみを行っている企業があります。台湾や中国の企業を中心に販売しています。

 

競合は?

 米テラダイン(TER)

こちらは、NASDAQに上場していて、アドバンテストとたった2社でテスター市場を分け合っているという状況です。

アドバンテストのシェアは2018年では54%と市場の約半分です。分野別にみても、SoCに関しては52%、メモリは58%と競争力が高いです。

 

アンリツとの違いは?

 同じ5Gの恩恵を受ける企業としてアンリツがありますが、違いは一体…?

アンリツは、チップの設計段階(R&D)で検査されるためのテスター

アドバンテストは、チップの量産段階で使われるテスター

こちらの2社では半導体製造過程において製品を使う時期が違うので、明確に棲み分けができています。

 

5Gは具体的にどう関係するのか?

 RF(高周波)のテスト

アドバンテストが提供するテスターは周波数のテストも行えます。5Gになると周波数も増え、より大きなデータを高速度で扱うという点でRFのテストが重要になってきます。そこでテスターの価値が上がるという関係です。

チップの高性能化

これからもチップの高性能化が進んでいきます。スマートフォンの高性能化や、AIやビッグデータの発達などにより演算チップが必要になります。また、5Gによってこういった機器の高性能化は加速されます。チップの量産化が進めば、試験項目も試験の重要性も比例して増えるというところで5Gの恩恵を受けるという関係性になっています。

 

強みは?

 

先ほど記述したように現在テスター事業はアドバンテストと米テラダインの2社によって寡占化されている市場なので、テスターの需要が中長期的に恩恵を受けやすいです。また、中国で将来的に起業することはあるかもしれませんが、現在のところ敢えて新規参入する企業はないのでとても安心感のある市場です

 

成長ポテンシャルは?

 

成長ポテンシャルは非常に高いです。

理由は、

①5G

 サブ6とミリ派両方の数波帯での拡大が期待されている。

②メモリの進化

 5Gでは直接的にはSoCテスタが恩恵を受けるのですが、

 メモリテスタもDRAMはより高速化、NANDはより大容量化というところが

 今後も期待できます。

 メモリが進化すると、テスターの活躍場所も多くなるのでこちらも成長性

 があります。

③半導体の安全ニーズ増大

 半導体は様々なシーンで使われていきます。例えば、車の自動の運転やeコマーズ、

 ビックデータ、データセンター、サーバーでなど、非常に安全性・正確性が

 求められる場面で使われるようになります。 

 そうなるとしっかりと検査され、不良を起こさないということも必要になって

 きますので、半導体が様々な場所で使われるようになると、必然的に

 彼らの製品も中長期的に需要が伸びていきます。

 

リスクは?

 ①株価バリュエーション

 PERやPBRを見ると、他の東京エレクトロンのような半導体銘柄と比較しても

 高い水準にあります。それは、製品のクオリティが高いという証明でもある

 のですが、コロナ問題のように株式市場が急激にリスクオフになる局面において、

 バリュエーションが縮小してしまい、(短期的ではありますが)株価の下落幅も

 大きくなります。

②5Gスマホの販売低迷

 5G銘柄ということで、5Gのスマホがしっかりと販売されていることが重要です。

 スマホが市場に出回らなければ、5Gに関連する投資も停滞する可能性があります。

③メモリ市況の調整

 メモリ市況のサイクルにも影響を受けやすいです。基本的にはサイクルなので、

 調整する期間があれば、成長している期間もあるので、投資はできる限り

 調整している時にするのが安全と言えます。

④マクロ景気後退

 半導体自体は景気連動する製品なので、マクロ不景気には業績や株価が下がって

 しまいます。しかし、長期投資家の観点だとといった時に投資をしても、将来的には

 有利に働くクオリティの高い銘柄だと思います。

 

以上、アドバンテストについて株式投資する前に是非知っていただきたい内容をご紹介させていただきました。

 

今日もうみがめの半導体株調査部読んでくださりありがとうございました!

株式投資がんばっていきまっしょい!

 

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私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。