こんにちは、うみがめです。
今日は、東京エレクトロンのライバル、
ラムリサーチ(LAM RESEARCH)についてご紹介します。
ラムリサーチ
アメリカで1980年に創業されました。
エッチャー装置でシェアトップです。
エッチャーとは半導体を作る上で特定の箇所を削る装置です。
特にメモリの一種のNANDの積層化(3D-NAND)により業績が爆発的上昇しています。東芝やキオクシア、サムスン、マイクロンなどもこぞって3D−NANDの製造に取り組んでいますが、この3D-NANDを作るのにはエッチャーが必要不可欠です。
競合は長年のライバルである日本の東京エレクトロンです。
そしてこちらが、ラムリサーチの過去5年の株価の推移です。
過去5年で株価は5倍以上に増えています。これは非常に優秀で競争力があることを証明しています。
ラムリサーチのシェア
こちら2017年の数字になってしまいますが、下の緑色のETCHは50~55%程度です。
青色のDEPOSITION(成膜装置)も強く40%程度のシェアをもっています。
こちらのスライドは、Lam(ラムリサーチの略)がエッチャー装置と成膜装置のSAMのNAND、DRAM、Foundry and logicの3つのアプリケーションでどのように伸びていくのかというのも表しています。技術が難しくなるにつれてそのSAMがどの様に伸びていくかを表しているということになります。
まず、SAM=Serviceble Avalable Marketの略で、エッチャーや成膜装置など売り出したい製品が提供できる市場規模を表しています。
爆発的に伸びているのは、緑色のNANDです。NANDは表の下の数字(64L、96L、126L…)はLayer(=層)を表しています。なので、数字が大きくなればなるほど層が積み上がっている(=複雑化している)という意味になります。
3D-NANDと呼ばれるものがあるからには、かつては2D-NANDというものもありました。2D-NANDがあった時代は下図をご覧いただけるとわかるよう、もっと市場規模は小さかったです。3D-NANDが出現したことにより、ラムリサーチのエッチャーと成膜装置は大活躍するようになりました。
下図が話題の3D-NANDの模型(のようなもの)です。
青色で縦方向に積み上がっているのがメモリセルです。今までは、一番下の灰色のところに一層だけでした。
積層をしていくと最終的には穴を開けなければなりません。それがエッチャーの仕事です。一番難易度が高いのは一番長いところ、写真でいうと手前に見える赤色の縦線です。ラムリサーチはこの技術が高く、エッチャーではほぼ独占的なシェアをもっています。
ラムリサーチは3D-NANDのためだけに製品を作っているわけではなく、
直近の半導体のアプリケーション別の売上のチャートですが、
NVM(=NAND)45%とDRAMが16%でメモリで61%とメモリ投資に積極的なことがわかります。
しかしそれだけではなく、ファウンドリが29%、ロジック10%というところでファウンドリもなかなかいい数字を納めています。
ラムリサーリを買う時期は…?
メモリ投資が復活しそうなときに買うのが一番だと思います。
メモリ投資が絶好調なときは業績も絶好調です。株価が絶好調なときに投資するのは危ないと思いますが、メモリ投資は一つ重要な先行指標であることを覚えていただきたいと思います。
メモリ投資はサムスン、東芝、マイクロンがしていくので、これらの企業が新しい技術開発計画の発表などがある時が買い時です。
ラムリサーチと東京エレクトロン
ここまで、ラムリサーチは大変実力があることをお伝えしてきましたが、
過去は東京エレクトロンの方がずっと大きい会社だった時代もありました。
下の2つの表は2011年、2019年度のVSLIリサーチの半導体製造装置企業の売上の表です。
2011年、東京エレクトロンは3位、ラムリサーチは5位でしたが、売上高では2倍以上の差があありました。
2019年度、あれ順位は東京エレクトロンの方が上じゃん。となりますが、売上高のところをみると、売上ほぼ変わらないです。
この10年間でラムリサーチは大きくシェアを伸ばしてきたことがわかります。
ちなみに2019年は東京エレクトロンは3位ですが、他の年では順位が逆転していることもあります。東京エレクトロンとラムリサーチはかなり激しい戦いを繰り広げています。
今後も3D-NANDやメモリは社会において非常に大事な存在ですし、進化にともない投資が起こるのも間違いがないでしょう。
これらからの東京エレクトロンとラムリサーチの激闘に注目していきたいと思います。
今日も読んでくださりありがとうございました!
これからも株式投資がんばっていきまっしょい!
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「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。
私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。