今回は半導体関連銘柄を紹介します!
目次
- 半導体の現在の状況
- 半導体デバイスメーカー
- 半導体製造装置
- 半導体電子材料
半導体の現在の状況
半導体業界はアメリカで多くの企業が上場しています。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)(アメリカの半導体関連株の動きを表す代表的な指数の変動を表している指数)が下のグラフです。
過去5年のインデックスの推移ですが、直近大きく伸びています。
コロナ後の環境はリモートワークやデータをクラウド化する社会に変化してきています。そこで半導体がより使われることによって、半導体株が大きく切り上がってコロナ前の水準を超えているという状況になっています。
半導体デバイスメーカー
世界3大半導体メーカー
インテル(アメリカ)…CPU(=演算装置)を世界トップのシェア
パソコンだけではなく、サーバー等もトップクラス
サムスン(韓国) …主にメモリ半導体を製造。
インテルとも半導体売上トップを争う強豪。
TSMC(台湾) …半導体の受託製造を行う会社。主に演算チップを製造。
受託製造分野(ファウンドリ)のトップクラス!
主要顧客はHuaweiやハイシリコン(Huaiweiの傘下企業)
半導体は、工場を作るのにかなり高額な設備投資が必要となるため、普通の企業では自社で作ることができません。そこでTSMCのような受託製造を行うファンドリ企業に依頼するのが半導体業界のトレンドとなっています。
大手半導体メーカー
マイクロン …メモリ
ハイニクス …メモリ
クアルコム …スマートフォン向けの演算チップ(アプリケーションプロセッサー) を設計している
エヌビディア…GPU(AIやビッグデータを一律で計算する際にも使われる)で大きなシェアを占めている。設計だけを行う。
クアルコムやエヌビディアは設計のみを行う会社をファブレスと呼びます。
現在はファウンドリとファブレスで役割分担をしていくのが業界の主流になっています。
日本の半導体メーカー
キオクシア…NAND半導体/旧東芝メモリ
ソニー…イメージセンサー
ルネサス…マイコンでシェアをもっている
ローム…アナログ系の会社
エルピーダ…DRAM、現在はアメリカのマイクロンに買収されている
キオクシアとソニーは世界ランキングでは上位ではありませんが、特定分野では競争力をもっています。
かつては世界トップ半導体メーカーはほとんど日本のメーカーという時代もありましたが、競争や自給の悪化というところで現在日本の半導体メーカーは大手半導体メーカーに比べると大きく劣ってしまっています。
世界の半導体製造装置企業
以下の5社が半導体製造装置で世界を引っ張っている会社なので是非覚えていただければと思います。
アプライドマテリアルズ(アメリカ)…世界トップ
ASML(オランダ)…露光装置で高いシェア
ラムリサーチ(アメリカ)…エッチャートップのシェア
東京エレクトロン(日本)…コーターデベロッパーでトップ、
ラムリサーチと同等に位置にいる。
KLAテンコール(アメリカ)…検査装置で有名。
日本の半導体製造装置企業
東京エレクトロン…幅広い装置技術
アドバンテスト…半導体テスタ
レーザーテック …検査装置(マスクブランクスという少しニッチな分野で有名)
SCREEN…半導体の洗浄装置
ディスコ…ダイサー(半導体を細かく削ってチップして細かく磨いたりする装置)
東京精密…プローバー(半導体テスタ、アドバンテストのテスタと一緒に使われるような装置)
日立国際、日立ハイテク…今は上場していないがかつては活躍していた
こう見ると、日本でも半導体製造装置企業は数が多く、その分野分野ではトップシェアをもっている企業も多いです。かつては日本の半導体メーカーが強かったので、その下の半導体製造装置メーカーも強くなったという背景があるようです。
日本の半導体電子材料
こちらで紹介するのは、サムソンやインテルなどの半導体を作る企業に素材を提供している会社とその代表的な素材です。
信越化学…シリコンウエハ(半導体の基盤となる材料)、レジスト
SUMCO…シリコンウエハ
JSR、東京応化、富士フィルム…レジスト→特に東京応化が今株価が非常に伸びています
関東電化、RSテクノロジー…ガス→半導体プロセスにおいてもかなり消費されるため
三益半導体、RSテクノロジー…再生ウエハ
→シリコンウエハを再生して、テスト用ウエハとしての 事業展開をしている
このように日本の半導体電子材料は多くの企業が活躍しています。
グローバル企業をここで紹介しなかったのは、半導体電子材料において日本のプレーヤーは非常に強く、グローバル企業はあまりシェアが高くないので書きませんでした。
しかし、過去に日本と韓国が貿易摩擦や衝突が起きてしまったのをきっかけに、韓国が内製化を国策で進めているので、中長期的には韓国が力を取り戻す可能性があるというところに注意しなくてはなりません。
その他
半導体の面白いところは、その他までサプライチェーンが広がっていくことができます。小さな会社も半導体というサプライチェーンにいるだけで、かなり好調な業績が見込めるという趣があります。ほんの一部だけをこちらで紹介します。
堀場製作所…マスフローコントローラー→半導体製造装置の流体を制御するための部品
栗田工業…水処理装置→半導体製造において超純水をつくる装置
CKD…真空バルブ
内外テック…アセンブリ
→例えば、東京エレクトロンなどの工場の側に工場を構え、
東京エレクトロンの装置を組み立てていくというような業態をとっている
その他にも多くの企業(上場企業も含め)が半導体のサプライチェーンに関わっています。このような企業は半導体市場が好調な時には、業績がよくなるのでチェックしてみていただくと面白いかなと思います。
まとめ
今までご覧いただいたように、国内の半導体メーカーは衰退してしまっているが、周辺分野(装置・素材・部品)は競争力の高い上場企業も多いです。
また半導体は5Gデータ社会、コロナ後の恩恵を受け長期有望な分野です。
関連企業はまだまだ成長途中だったり、見落とされている企業も多くあるので、理解を深めれば大きなチャンスを掴めるはずです!
今日も読んでくださりありがとうございました!
それでは、がんばっていきまっしょい!
半導体株や半導体業界を勉強するなら下記の本がおすすめです。
「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。
私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。