■GCA(2174):M&A・事業継承の恩恵銘柄・かつ高配当株
GCAはテーマ株(M&A、事業継承)でありつつ、高配当株でもあるので、個人的は安心して投資できる銘柄です。
ただ数年で倍増するかと言われると疑問です。人件費で売上増の多くが吸収されます。またM&Aは労働集約型の事業です。人が増えないと売上も増えないので、急激な変化が難しいです。
なのでバリュー投資として、配当狙いの手堅い投資に向いていると思います。私はGCA株を長期保有で持つかは不確定で、他に良い銘柄があれば乗り換える可能性もあります。
この銘柄は18年〜19年に慢性的な含み損になりましたが、ナンピンしても大丈夫な銘柄だと思ったので別ブログにて「無限ナンピンチャレンジ」を行いました(現状は無事含み損を回避しています)。
以下、GCA株の配当方針について整理したコメントを再掲します。
✔︎最低配当方針:2016年までは一株あたりの最低配当は20円でしたが、17年に35円に増額しました。また将来的に最低配当の水準を切り上げていく方針を示しています)。ちなみに18年までは引き続き35円です。
✔︎総還元性向100%:最低配当は上記の通りですが、アップサイドもあります。同社は利益を全て株主に還元する「総還元性向100%」を掲げています。
EPS(一株あたりの利益)が35円を超える場合は、「追加配当」もしくは「自社株買い」を実施します。
下記がこれまでの配当金及び自社株買いの推移です。 08年〜18年で186億円の株主還元を実施しています。本日の2019年10月時点の時価総額が342億円なので50%弱を還元していることになります。
✔︎配当の持続性:年間のEPSが35円以上であれば、その年の損益から配当を捻出できています。前期は75円(Non-GAAP)、今期は63円の計画で、上期時点で24円です。
今期は通期計画未達の可能性がありますが、とりあえず35円はクリアできそうです。
また仮に35円を下回る場合も、財務基盤が強靭なので、配当維持ができると予想しています。
35円の場合配当総額は13億円程度になります。一方配当の原資となる利益剰余金は50億円です。また資本剰余金は138億円あります。保有現金は95億円・長期の金融資産が12億円、負債は借入金はほぼなく、長短の金融負債は40億円程度あります。単純にネットすると60億円程度のプラスになります。利益がほとんどだせない状態が3年くらい続いても配当は継続できそうに見えます。
✔︎のれんには注意:一点注意したいのはのれん93億円です。これは16年にアルティウムというM&A助言会社を買収したことに起因します。
万が一減損する場合はノンキャッシュですが、BSに対するインパクトは大きいです。
現状は欧州市場でも案件獲得が上手くいっている印象なので、心配はしていません
ちなみに M&A(プライマリーマーケット)で使うバリュエーション手法は株式投資(セカンダリーマーケット)と異なりますが、「企業の本質的な価値を考える」という点は一緒です。その観点から一番良いのは以下の本です。以下の本を読んでいる人は「本物」だと思います。自分は5回くらい読んでいます。
■GCA株の個人的な買い時・売り時
買い時:配当狙いでない限り、GCA株をあえて積極的に買うべきかは個人的に疑問です。
ただ、今後はM&Aに対する減税や事業継承案件の関するニュースフローの増加や市場期待値の高まりがありえ、バリュエーションが上がる可能性はあります。
なので配当狙い+アルファ(ワンチャンス、バリュエーションの変化を取る)で来たる19年10-12月決算までに仕込むのはありかと思います。
売り時:配当利回りの魅力が薄まる水準(≒業績成長が期待されはじめる水準)になれば徐々に売却をしていいと個人的に思います。
人によってまちまちですが、3%(35円配当で株価1166円)を切るレベルは1つの目安と個人的に考えます。
■GCAの売買記録
以下に自分のGCA株の売買記録を参考までに掲載します。
投資開始日:2017年10月
現状の入金額:1155万円(20年1月)→0円(20年2月)
最新の平均単価:875円(20年1月)→0円(20年2月)
最新の株数:13200株(20年1月)→0株(20年2月)
直近の売買(買い増しか売却か):
一部売却(19年下旬)
全部売却(20年2月)
最終的な投資成績(20年2月追加)
利回りが魅力的な水準であれば再び投資する可能性が高いですが、ひとまず2020年までのGCA株(ティッカー2174)の投資成績です。税前で+200万円というところでした。
一時2000万円近い入金額となっており、保有開始は2017年だった点を考えると、物足りない投資成績でした。
■GCAの直近の決算
19年10-12月期:決算の実績は悪くないですが、株主還元に変化がない点や、株式交換による買収(希薄化)は印象良くないです。利回りが魅力的な水準や市場にならない限り当面GCA株はおやすみと考え、保有株を全部売却しました。