みなさん、こんにちはうみがめです。
今日は大人気のレーザーテックの大きな壁
半導体製造装置の最強企業、KLAをご紹介します。
目次
- KLAとは?
- KLAの課題
KLAとは?
KLA TENCOR(けーえるえー てんこーる)と読み、けーえるえーと業界の人は呼びます。本社は横浜です。
半導体検査装置(欠陥検査、計測装置などのプロセスコントロール)でダントツのトップシェアです。
東京エレクトロンの成膜装置、サムスンやインテルなどのお客さんに納入するときに、納入する装置が正しく処理ができるかを判定するかというと、KLAの装置でしかできません。KLAに装置なしでは半導体は作れないという状況になっています。
ラムリサーチ(米)と2016年に統合を試みるも認可がおりませんでした。理由は、KLAという大切な技術を持っている会社とラムリサーチがくっつくき無双状態になってしまうと、顧客と半導体メーカーも困ってしまうことと、競合上もよくないからです。
青色がKLAプロセスコントロールにおけるマーケットシェアです。
シェアは検査や欠陥検査、測定などを含めたところで50%です。
しかし、特定の用途で使われる装置、例えばウェハー検査装置などのサブジャンルでは独占的なシェアを占めいています。
こちらは競合との売上の比較ですが、KLAはダントツトップで350億円を超える売上があります。
日本企業は上から3番目に日立ハイテクがいます。しかし、こちらは上場廃止されてしまったので、現在我々は投資できません。日立ハイテクは非常に質の高い有望な加速測長装置の技術を持っていますが、日立は近くしてこの技術を売ると思うので、どの会社がこの有望技術を手に入れるかが今後の注目ポイントです。
また、日立国際が持っていた成膜装置の事業はアプライドマテリアルが買収することに決まりました。
そして我らがレーザーテック は一番下にいます。そしてその下に少し濃い紫色で「KLA Process Controll R&D」とありますが、R&D(開発費)がレーザーテック の売上を超えていることがわかります。これで圧倒的な規模で圧倒的な開発力があるということがわかります。
こちらはKLAの装置の分野別の売上別のグラフです。
Reticleはマスク関連の装置で、KLA強いのですが市場としては大きくないです。そしてレーザーテックも今後ここを狙っていきます。
MetologyとInspectionの2つが分野としては大きく、KLAは市場でも強い力を持っています。
Inspectionは欠陥を検査する装置の部門です。
Metologyは計測関連の技術です。半導体の加工はnm単位(1mの10億分の1)の微細なサイズを測量しなくてはなりません。それができるのがKLAのMetologyです。
ちゃんと半導体が作れているか、きちんと習熟度を上げるためにも必要不可欠な会社です。
それがきちんと収益に反映されています。
左:グロスマージン(粗利率)では、紫色のKLAは他のASMLやAMAT、サムリサーチなどの世界のトップ企業と比べても10ポイント位高いです。ASMLはEUV持っていて最強企業だと伝えていますが、これよりも粗利率が高くなっています。
右:オペレーションマージン(営業利益率)も同様圧倒的に高いです。
こちらは、半導体市場の市場規模を表しています。
左からPC→ノートPC→スマートフォン→データ社会とどんどん使用規模が大きくなっていきます。
使われているものがよりクリティカルになっていくことがわかります。例えば自動運転やAIなどデータ社会になった際には、データに依存するので半導体の正確性や機能性が非常に大事になってきます。それを担保して歩留まりを上げていって、半導体の機能を向上させるための検査装置が必要になる未来は容易に想像できます。
このように素晴らしい業績をご紹介してきましたが、今度は素晴らしい配当還元についてもご紹介していきます。
アメリカ企業であり、自社株買いや配当が素晴らしいです。左側が自社株買いですが、年々グラフが伸び、投資家に還元をしっかりとしていることがわかります。
右側が配当ですが、数年間で配当が倍増しています。よく配当投資家の方は、キャノンなどを買われていますが、それはその年の配当利回りをご覧になってると思うのですが、こういった中長期的に伸びるであろう半導体市場のトッププレイヤーの増配株を配当投資してもいいのかもしれません。
現在の足元の配当利回りは1%強です。数年間で倍増するので、買った単価に対して5%くらいになってるかもしれませんし、株価も上がっています。
配当という観点でもシクリカルな業界ではありますが、半導体製造装置業界のトップをチェックしてみても面白いのかなとも思います。
KLAの課題
ムーアの法則の限界、微細化の限界
KLAの装置は微細化が進んでプロセスの難易度が上がるため必要になるため、そもそもその技術成長がストップしてしまうと、製品の縮小が起きてしまうのではないかという懸念があります。
3D-NANDの恩恵があまりない
ムーアの法則を打ち破るひとつの方法として、NANDが積層化に進んできています。
積層化はそこまで微細ではないので、検査装置の単価が今までほど高くないです。
3D-NANDの投資が進んでも、KLAはあまり恩恵を受けれなさそうです。
EUV向けマスクの検査は苦手?
EUVは活躍のしどころであるはずなのに、KLAはマスク検査が苦手な様に見えます。
EUV光源を使い検査するのですが、あまり波には乗っていない様です。
レーザーテックのEUVを使ったマスク検査装置を作り、それが採用されています。KLAの独壇場であったマスク検査装置に割って入り、シェアを取れるかもしれません!
これからのレーザーテック とKLAのこれからの攻防は面白いかもしれません。
以上、半導体検査装置業界において圧倒的ダントツトップのKLAについてご紹介しました。
本当、無双状態なのでみていて気持ちがいいですね!
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
投資をがんばっていきまっしょい!
半導体株や半導体業界を勉強するなら下記の本がおすすめです。
「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。
私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。