半導体株調査部

半導体株の分析と投資実践

ピーター・リンチの著書「株で勝つ」で私が学んだこと

こんにちは、うみがめです。

今回は伝説の7大投資家の一人、ピーター・リンチ氏の著書についてお話しします。

 

プロもためになる本

個人投資家がインデックスや投信に勝る方法が買いてあり、

私自身証券マン時代から何回も読んでいます。

3回読めばとても理解が深められ、投資する際の思考にも良い影響を及ぼしてくれると思います!

 

そもそもピータ・リンチ氏とは?

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フィデリティ というアメリカ・ボストンにある世界的にも有名なファンドでファンドマネージャーをされていました。

学生時代は、マサチューセッツ州ボストン市に近いニュートンという街でゴルフキャディをしており、フィデリティ の社長、D.ジョージ・サリバンを担当していたこともあり、フィデリティ でのインターンのチャンスを手に入れ、そこから彼の投資人生が始まりました。

特にグロウスのある中小型株投資で非常に高いリターンを出した、中小型株の偉人です。

 

1977〜90年の間で年率リターンが29%!

再現性の高い手法をもって投資をされていることがわかります。

 

そんなすごい彼の本でオススメの一冊

ピーターリンチの株で勝つ(ONE UP ON WALL STREET)

 

 こちらは小型株のバイブル的な本で、私自身何回も読んでいます。

 

今回は、

  1. 私が付箋を引いたポイント
  2. ピーター・リンチの6分類
  3. 最高な株の条件
  4. 危険な株の見極め方

に絞って本のほんの一部をご紹介したいともいます。

 

私が付箋を引いたポイント

自分がよく知っている分野に投資する

お医者さんでしたら、医療業界。建設系の方でしたら、建設業界。

というように自分の強みを一番生かせる業界に投資することがいいと思います。

プロの投資家は、色々情報を得てはいますが、専門知識はあまり深く無いです。

自分が携わっている業界の関連銘柄に投資した方が、勝率は上がるということを彼は言及しており、私もそれに賛成です。

 

アナリストがカバーしていない株に好機

大企業、ブルーチップで誰もが知っている銘柄は誰も気づいていないポテンシャルは少ないです。中小型株(時価総額が小さい銘柄)は、機関投資家がまだ踏み込んでいないので、市場があまり気づいていない魅力があったりします。

四季報などで探りを入れていくというのもすごくいい手法だと思います。

 

株ではなく、企業に投資する。市場の短期的な変動は無視する。

これはマインド的なところですが、私たちは「株に投資している」と株の値動き企業の価値の値動きだと捉えてしまいますが、そうではなく、自分は「企業に投資していて、その企業が5、10年後にどうやって業績を伸ばしていくか」を気にするべきです。

 

マクロ経済の動きを予想するのは不毛

マクロ経済を予想するエネルギーは、優良な個別銘柄を調べるのに使った方が良いということです。

 

Big company, small move. 

大きな企業は時価総額などの変動が小さくなってしまいます。それに対して、中小型株は何か小さなきっかけがあるだけで、業績・株価は変わっていきます。

なので、中小型株は大きなリターンを狙うという意味ではとても有効な分野です。

 

人気業界ではなく、地味な業界を狙う

クラウドやハイテクなどの人気な業界は、みんなが買っていくので人気が落ちてしまうと株価が滑落してしまうというのがあります。

そのようなことが起こりにくい地味な業界を狙っていくべきだというのが彼のコメントです。

 

ピーター・リンチの6分類

彼は株を6つのタイプに分類しています。

1. slow glowers→否定的

業績の成長率の高くない会社のことを言っています。例えば電力会社などが挙げられ、ポートフォリオに組まれることは否定的です。

 

2. stalwarts→少しポートフォリオに入れる。景気後退機にプロテクションになる。

slow glowersよりも成長率は高いが、そこまで伸びるわけでは無い。

消費財などの会社が多いです。ここではコカコーラが例として挙げられています。

 

3. fast growers(年20〜25%伸びる成長株)→お気に入り

成長産業にある必要は無いです。成熟産業でもこれくらい伸びる企業はあるということです。fast growersの中でも、良いバランスシートときちんと利益を出している企業を好むのが彼の特徴です。

 

4. cyclicals→タイミングが全て。難易度が高く危険。

もちろんタイミングをうまく当てれば、非常に大きな利益を出せます。

 

5. turn around→市場全体と違う動きをする点が魅力的

構造改革をして業績回復を狙う企業。turn aroundで良い点は、構造改革を行って業績が変わる局面は株価も急激に変わります。市場全体の動きと違う動きをするのが魅力的だと彼は言っています。

 

6. asset plays (PBR 0.5倍)→資産に眠るバリューが見逃されている会社。

日本でいうPBR1倍割れの銘柄などです。

こう言った銘柄は、カタリスト(眠った資産が評価されるきっかけ)と我慢が必要と彼は言っています。

 

ピーター・リンチの考える最高な株の条件

1. 地味な業界の平凡な名前の会社

人気の業界のカッコいい名前の株はブームが過ぎると誰も注目しなくなり、怖いんだよということを言っています。

 

2. 事業内容も地味でつまらなそうのがイイ 

地味でも人が必要としているもの、例えば廃棄物処理などを例に挙げています。

 

3. スピンオフであること

大企業からのスピンオフです。大企業はスピンオフしたばかりの会社は、しっかりと事業をやっていくというのを確保してスピンオフしているはずなので、財務状態が良かったり、競争力が担保されていたりするケースが多いです。

スピンオフしている場合は、意思決定が早くなるというところで彼はスピンオフをススメています。

 

4. プロがカバーしていない銘柄

プロがカバーしていないということは、機関投資家が注目していない。いずれ機関投資家が注目した頃にはかなりのお金が入ってくるので、アップサイドがある銘柄と捉えることができます。

 

5. Something Depressing

あまりExcitingでない業界、ここでの例は埋葬事業ですが、もてはやされるような事業じゃ無い方が良いと彼は言っています。

 

6. 成長性のない業界

彼は、成長性のない業界にある、成長する株が良いと言っています。

現代で言えば、インターネットやクラウド、AIなど業界ですが、当たればいいのですが、問題はみんな成長性があることがわかっているので競争が激しいです。

そういった人気の市場内でのポジションやシェアを維持するのが難しいので、ボトルキャップのような業界であれば、新規参入も少ないのでポジションを維持できます。

 

7. ニッチな強みがある会社

グローバルなトップ企業より、地方の王者の方が良いと彼は言っています。

地方の王者であれば、そこでもう地位は確立しているので、優位性は揺らぎにくいという考え方のことを言っています。

 

8. 消耗品を扱っている

飲料やレーザーブレードなどの人々が繰り返し使って、買い直さなければいけないものは継続的に需要があるの安心感があると言っています。

 

9. テクノロジーのユーザー企業

技術進化の恩恵を受ける企業。

テクノロジー業界はかなり競争が激しいです。

競合が多ければ多いほど、テクノロジーの値段は下がっていきます。

そうなるとテクノロジーを作る側よりかは、テクノロジーを使う側の方が良いと言っています。

実際のところ近年は、テクノロジーを使う側よりも作る企業の方が業績が上がっているので、時代は変わってきている…かもしれないですね。

 

10. インサイダーが買っている

11.  自社株買いをしている

経営陣が自社株を買い増していたり、会社自身が自社株買いで「自分の株が安いよ!」と言っているような会社は、事業の見通しに対して自信がある証拠として捉えることができます。よくSoftBankの孫さんがされていますね。

 

ピータ・リンチが避ける危険株の条件

1. 人気がある業界の人気企業

人気ある=株価の値動きも激しくなる→人々の期待を裏切るようなことが起きる→株価が下がってしまうというリスクがあります。

現代で言うと、アマゾンやアップルが株価パフォーマンスがとても良いですが、あるネガティブな事象が起ると株価も下がってしまうリスクがあります。そのようなリスクを負わないためにも、地味な企業でしっかりとリターンを稼ぐ方がいいよねという考え方です。

 

2. 次の〇〇は危険!

例えば、次のアップル、次のアマゾンなど謳われていた会社が成功した例はとても少ないです。

なので、次の〇〇というように言われている企業には投資しない方が良いと彼は言っています。

 

3. 知見のない分野への拡大戦略

あまり知識のない分野へ繰り出そうとすると、シナジーがないので、割りに合わない高額な投資をしてしまう可能性があります。リターンを毀損してしまう可能性があります。

 

4. 革新的な製品が期待されている会社

革新的な製品が出たとしても株価を織り込むほどインパクトのある製品ってなかなか出ないです。そういった会社は、期待だけで終わってしまう可能性があります。

 

5. 中間業者・卸売:特に特定顧客への依存度が高い会社

そのお客さんが取引先を変えたいなどの戦略変更の際にかなりのダメージを受けてしまうからです。

 

6. カッコいい名前の企業に気を付けろ

カッコいい名前だとみんなが期待して、飛びつきますが、期待はずれになったときにリスクが大きいと言うことを言っています。

 

ここまで出てきた内容では、いくつか重複するような内容もありますが、

彼の投資哲学に一貫性があることがわかります。 

 

 終わりに
  • アメリカと日本の違いは考慮する必要がある

全てがそのまま投資に使えるわけではありませんが、共通して使えるエッセンスはたくさんあると思います。

  • 中小型株の長期投資は個人が勝てる有力な投資法で、私も中小型株に投資をしています。

 ピーター・リンチなどの著名人の本を読んだり、自分で投資をしてみて経験を積むことで知識と経験値が上がっています!

これからも自分の成功体験のきっかけになった本を紹介していきたいと思いますので、是非これからもうみがめの半導体株調査部ブログ読んでいってください!

 

こちらに今回ご紹介した「株で勝つ」の本のリンクです。

是非ご興味のある方、読んでみてください!本当に勉強になります。

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました!

株を楽しくがんばっていきまっしょい!

 

 

半導体株や半導体業界を勉強するなら下記の本がおすすめです。

「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。 

私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。