半導体株調査部

半導体株の分析と投資実践

半導体製造工程の主要企業をドドンと解説!

こんにちは、うみがめです。

今回は、半導体製造工程とその主要企業を解説していきたいと思います。

その主要企業がどのくらいのシェアで、競争力があるのか、を知るのは半導体株投資をする上で知っておいてもいい事かなと思うので、是非一緒に理解を深めていけたらと思います!

 

もくじ

 

 

まずは、半導体製造工程の流れを整理!

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 工程は、大きく「設計、前工程、後工程」の3つに分かれます。

設計:マスクという形にして設計を行っていきます。

前工程:そのマスクを元に回路を書いていきます。露光装置を通して、パターンを写していきます。

後工程:トランジスタを持ったウェハを一つ一つのチップにしてパッケージングをしていきます。

 

設計

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設計はマスクブランクスというものを用いて、マスクを作っていくというのが設計段階の最終の目的になります。

 

回路設計に強い会社

回路設計Sypnopsys:シノプス、Cadence:ケイデンス (アメリカ)

これらの会社の装置が輸出できないと中国のファブレス、半導体メーカーは効率的に生産できないという事が起きます。

マスクブランクスHOYA、信越化学(日本)

設計図となる原盤(石英でできるているもの=マスクブランクス)が強いです。

特にHOYAは、EUV系のマスクブランクスでは量産用はほとんどHOYAが使われているくらい強いです。

フォトマスク形成ニューフレア、日本電子 (日本)

マスクを作る際に必要な機器で有名なのがこの2社です。ニューフレアは東芝の一部になってしまったので、日本電子が今のところ買える銘柄となっています。

検査装置レーザーテック(日本) 、KLA (アメリカ)

マスクブランクス向けの検査装置はレーザーテックがほぼ独占していて、

マスク向けの検査装置はレーザーテック とKLAでシェアを取り合っている状況です。

 

さて!前工程の説明入っていきますよ!

前工程ではウェハにトランジスタを書いていきます。

下の図のように様々な前工程の中でも様々な工程を進めていきます。

このブログではいくつかの工程を抜選してそこで活躍している企業をご紹介していきます。

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ウェハ作製信越化学、SUMCO(日本)

信越化学のシェアは30%を超えていて、リーディングプレイヤーとなっています。

酸化膜…東京エレクトロン、日立国際(日本)

東京エレクトロンが半分以上のシェアをもっています。

日立国際に関しては、AMATに買収される可能性が高い企業です。

洗浄…SCREEN、東京エレクトロン(日本)

洗浄は上の工程の間に入ってくる作業工程です。

京都のSCREENという会社が非常に強いです。

 

そしていよいよ露光工程!ここで強い企業は?!

露光装置…ASML(アメリカ)、ニコン(日本)

ASMLがシェアが9割ほどあり独走状態です。

レジスト(ウェハの上に感光剤をのせる処理)…JSR、東京応化、信越化学(日本)

シェアはみんなで分け合っている感じですが、EUVに関しては、東京応化が抜きんでてる感じがします。

コーターデベロッパー(レジストを塗布する機械)…東京エレクトロン(日本)

東京エレクトロンが9割程度のダントツトップです。

光源…ギガフォトン(コマツの子会社)、サイマー(ASMLの子会社)

 

そして露光装置のあとのパターニング形成まで来ました!

パターニング形成は、複雑で似たような作業を何度も繰り返していくような工程です。

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上図真ん中あたりのエッチング…特定の層を取り除く(実際は洗浄するに近いですが)作業です。特に3D-NANDの需要が増えると爆増するような工程です。

エッチング…東京エレクトロン(日本)、ラムリサーチ (アメリカ)

この2社がとても強いです。トップを取り合う関係性です。

 

イオン注入(ドーピング)…アプライドマテリアルズ(アメリカ)

ほぼ独占的なシェアをが独占的なシェアを持っています。

成膜…アプライドマテリアルズ、ラムリサーチ (アメリカ)

CMP…アプライドマテリアルズ、荏原製作所(日本)

日本の荏原製作所も3〜4割程度シェアをもっています。

欠陥検査・計測…KLAテンコール(アメリカ)

これはそれぞれの工程でしっかりとパターンが形成されているかという欠陥検査が必要になってきます。そこでかなり強いのがKLAです。

 

金属膜を形成して、配線工程に入りますよー!

PVD…アプライドマテリアル(アメリカ)、アルバック(日本)

アプライドマテリアルがとてつもないシェアをもっています。

日本のアルバックも10%程度持っています。

洗浄…ラムリサーチ (アメリカ)、SCREEN(日本)

前半の前工程ではSCREENが強かったですが、配線工程ではラムリサーチ の方が力を持っています。

CMP(磨き上げる作業)アプライドマテリアルズ、井原製作所

 

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後工程

半導体テスト…アドバンテスト、テラダイン(アメリカ)

テストはウェハ テスト、フィナルテストと二回行われることが多いです。

その二回ともが最近はアドバンテストの製品のシェアが高くなってきています。

グラインダー…ディスコ、東京精密(日本)

ウェハ を薄く研磨するグラインダー。最近のトレンドとして、NANDを何層にも重ねて要領を大きくするという技術があります。何層にも重ねるためには、一枚いちまいを薄くしていく必要がありますよね。その際に使われるので、薄くするウェハ が増えれば増えるほどこちらの企業の業績も伸びていきます。

ボンディング…ASM Pacific Technology(香港)、ヤマハ(日本)

ボンダーと呼ばれる装置で配線をつなげていきます。

モールド…TOWA、ヤマハ(日本)

チップを覆う工程です。それによって配線や、チップ自体を外からの衝撃から守るために行われます。

ダイシング…ディスコ、東京精密(日本)

ダイサーという装置を使って、ウェハ からひとつひとつ切り分けてチップにしていくという工程です。ディスコがシェア8割を占めています。 

まとめ

たくさんの工程を経て半導体ってできてているんですね〜。

たくさんの企業が関わってることもわかりました。

ということで、工程においてどの企業が特に注目かをまとめてみます。

(最初からそれ見せろ〜って思った方、最後まで読んでくださって、「半導体への理解深まったからこそ」の成功投資もあると思いますので、お許しください〜!)

 

  • ウェハ …信越化学
  • マスクブランクス…HOYA
  • マスクブランクス検査…レーザーテック 
  • コーターデベロッパー…東京エレクトロン
  • ダイサー、グラインダー…ディスコ
  • テスタ…アドバンテスト

 

これからの業績動向や決算発表などで気をつけて見ていきたいと思います!

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

株をがんばっていきまっしょい!

 

 

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「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。 

私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。