半導体株調査部

半導体株の分析と投資実践

東京エレクトロンについて徹底調査! Ver.2

 

こんにちは、うみがめです。

日本半導体のエース、東京エレクトロン。

以前も東京エレクトロンについてまとめさせていただきましたが、

今回はよりアップデートした内容でお伝えしていきたいと思います。

 

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目次
  • 会社概要
  • 顧客
  • 業界ポジション、シェア、競合
  • 強み、弱み、成長性
  • 株の特徴、バリュエーション、リスク

 

会社概要

時価総額は4兆円超え 売上1兆円強(2019年)です。大企業〜!

東京エレクトロンは日本トップの半導体製造装置メーカーです。

コーターデベロッパーでは世界シェア90%で、我々が使っているデバイスはほとんど東京エレクトロンが関わっています。(今あなたが持っているスマートフォンも東京エレクトロンが関わっている可能性大ですね!一気に親近感!)

また、製造はほぼ国内で行っていて、日本の物づくりを支えています。

国内に多くのサプライヤーがおり、東京エレクトロンの恩恵を受けています。

 

現在は物づくりを大切にする企業ですが、元々はTBSの商社(本社:赤坂)だったので、社風は結構体育会系と言われています。

 

顧客

半導体メーカーの

サムスン、インテル、キオクシア 、TSMCが主な顧客です。

上の企業はロジック半導体、メモリ半導体を作っており、最終的にはデジタルデバイス(スマートフォン、PC)になったりして私たちの手元にやってきます。

 関係性はこんな感じです。(下図)f:id:broandsis:20201005111226j:image

 
 業界ポジション、シェア、競合は?

半導体製造装置(SPE)の市場規模は6兆円もあります。(2019年)

世界シェア第3位(全社売上)の20%弱という位置にいます。

日本では圧倒的1位です。

2位のアドバンテストは、5%弱なのでかなり引き離していますね。

世界レベルでは、競合がラムリサーチ (米)、AMAT(米)などが挙げられます。

この2社についても過去書いているので、ご興味のある方は是非覗いてみてください。

 

 

 

 

半導体製造装置メーカーの売上シェアと競合

 

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1位 AMAT

2位 ASML

3位 東京エレクトロン

6位 アドバンテスト

 

日本企業のアドバンテストとはかなり差が開いています。

東京エレクトロンは、アメリカ中心の競合と切磋琢磨しています。

 

強み・弱み・成長性

強み

  • 国内製造の物づくり力

一流サプライヤーが国内にいることで高い品質の半導体製造装置を作ることができます。

  • 圧倒的シェア製品

圧倒的シェアの製品をもっていることで、顧客との関係性が強固なものになります。

またエッチャーという競争力の高い製品があるのもポイントです。

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 こちらは東京エレクトロンの市場シェアを表したものですが、

コータ/デベロッパー(露光工程で使われる装置)がシェアを9割超えています。

ドライエッチング装置は、28%ですが非常に成長性の高い装置です。

3D-NANDへの投資が起こると、爆発的に伸びるような商品です。

このドライエッチング装置を製品としてしっかりと販売できる企業は世界においてもかなり珍しいので、成長性があると考えています。

 

弱み

  • 次世代技術EUVの恩恵が大きくない

恩恵がないわけではないですが、レーザーテックと比べるとあまり恩恵を受けないかなと思います。

 

成長性:非常に高い

半導体業界の成長=5G、IoT、AI、自動運転等のサービスの成長

となるので、これからの半導体需要は明るいと考えることができます。

良質な半導体を作るためには、半導体を製造する装置の付加価値はとても高くなります。

このように大きな視点に立つと非常に有望な業界見通しとなります。

その根拠として、東京エレクトロンの過去数十年の連結売上高の資料があります。

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過去数十年、連結売上高は1965年から現在に至るまでかなり順調に成績を伸ばしてきています。今では1兆円を超える売上があります。その成長はデジタル化が牽引してきました。

メインコンピュータ→PC→ガラケー→スマホ、タブレット端末へと変化してきました。

今後はAI、5G、IoT、自動運転などに変化し、需要の増加というのは中長期的に続いていくことが予想されます。

 

株の特徴、バリュエーション、リスク

 

  • 半導体業界はサイクルが重要。

半導体業界はシクリカルな業界です。基本は業績が悪い時に買い、好況で売る株というスタンスで投資家は今までやってきました。

しかし、これからはIoT、5G、AIなどの長期底テーマが有望ということもあるので、長期的なスタンスから投資するのも徐々に可能になってきています。

 

  • PER10〜20倍強

バリュエーションが安い≠買い

業績が良く、ピークに近くなるほど、バリュエーションは低下していきます。

バリュエーションが安いからという理由だけで買うと、その後にピークアウトで業績が悪くなって、結果的に割安な株でなかったということが起きてしまいます。

半導体関連株はバリュエーションにおいて、「業績が悪い時にも関わらず高いけど買う」というアプローチが効く銘柄になります。

 

  • 配当利回り高め

配当性向の方針が50%と高めです。

短期的な投資にあまり配当って着目しない方がいいのですが、長期投資家で5〜10年保有する方はみておいても良いかもしれません。

1、2年の株価の動きはサイクルに左右されるというところは忘れないでください。

 

  • リスク

これほど恵まれた業界環境で、成長性も高い企業ですが、リスクはあります。

米中摩擦

半導体業界はかなり重要な産業なので、アメリカは中国に対して規制をしています。

中国は国策として半導体産業育成を掲げて投資をしていますが、

本来であれば東京エレクトロンも恩恵を受けれたはずのものが、

米国の規制により目減りして、期待していたほどの需要が出てこないということが懸念されます。

メモリ市況悪化

シクリカル性のある半導体業界ですが、そのサイクルが悪い方向にいくと業績も株価も厳しくなります。直近は、メモリという半導体が悪化傾向にあるのでは?と市場では懸念されています。

一度悪化してしまうと、しばらくは業績回復までおやすみになってしまうと思います。

 

 

最後に…

東京エレクトロンは日本の製造業の希望の星です。

株価や業績は変動が激しいですが、長期視点で見守りたい優良会社です。

業界としても、人々が半導体を使うという事実は変わらないので、米国・中国どの国が製造しようと字変わらないと思います。万が一市況が悪化してしまっも、社会におけるデータが伸びていく背景においていずれ市況もよくなると考えられるので、業界としても有望です。

 

では東京エレクトロンについてお話しさせていただきました!

最後まで読んでくださりありがとうございました!

参考になった方、面白いかな?と思った方、いいね!をよろしくお願いします!

 

かなり秋らしい風が吹いてきて、金木犀の香りも町を歩いていると感じれてとても癒されますね。

寒くなってきますが、これらも風邪には気をつけて元気に株式投資をがんばっていきまっしょい!

 

 

半導体株や半導体業界を勉強するなら下記の本がおすすめです。

「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。 

私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。