半導体株調査部

半導体株の分析と投資実践

ヘッジファンドの餌食にならないために

 

 

ルネサンス・テクノロジーズの創業から世界トップのヘッジファンドになるまでの秘話が書かれたこちらの書籍を読み返しました。

確か発売当初の20年9月あたりに購入して、今回が2回目です。

 

ルネサンス・テクノロジーズは40歳で数学者からトレーダーに転身したジム・シモンズが創業し、旗艦ファンドのメダリオンは驚異的なリターンを達成しています。

 

頻度は少ないですが、日本株でも大量保有報告をしており、見たこともある人もいるのではないでしょうか。

 

あらためて読むと色々示唆があり良かったです。自分は昔、テクニカルに基づいた自動売買システムを作成して取引していたことがあるのですが、結局ファンダメンタルズに戻りました。

 

どのような投資スタイルにせよ、こういう人たちの餌食にならないようにやらないといけないと思いました。

 

私個人の話で言えば、今の道は間違っていないと思う一方で、読んでいるうちにもっとこうした方がいい、という考えもでてきます。この本は自分の投資スタイルを見つめ直すのに有益だと思います。

 

Kindleのコピー回数の制限で、一部しか貼れないですが、大事だと思った部分を抜粋します。これだけで十分学びあると思います。創業ストーリー含めた物語を読みたい人は買って良いかと思います。

 

「実際にモデリングしているのは人間の行動だ」と、ルネサンスの研究者ペナビック は説明する。「ストレスが高いときの人間の行動が一番予測しやすい。直観的に行動してパニックになるからだ。人間という役者が以前の人間と同じように反応するっていうのが、俺たちの大前提だ。そこにつけ入ることを学んだのさ」

グレゴリー・ザッカーマン. 最も賢い億万長者〈上〉――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか (p.234). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

 

 

特定された認知バイアスには次のようなものがある。投資家は一般的に損失の痛みを利益の喜びの二倍強く感じるという「損失回避」。最初に持っていた情報や経験によって判断が歪め られるという「固着」。投資家はすでに自分のポートフォリオに含めている投資商品の価値を過剰に見積もるという「授かり効果」などである。

グレゴリー・ザッカーマン. 最も賢い億万長者〈上〉――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか (p.233). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

 

 

ふつうの投資家なら、たとえばグーグルの親会社であるアルファベットの株式の騰落 を予測する際には、企業収益や金利のトレンド やアメリカ経済の健全性などを予想しようとする。あるいは、ネット検索やオンライン広告の将来性、テクノロジー産業全体 の見通し、世界的企業の今後、さらには、収益や簿価などに関する指標や比率などを予想しようとする。

だがルネサンスの社員たちは、投資商品に影響を与える要因はもっとたくさんあっ て、その中には容易には見つからないものや、 ときには道理に合わないものもあるという結論に至った。 

グレゴリー・ザッカーマン. 最も賢い億万長者〈下〉――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか (Kindle の位置No.2108-2117). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

 

 

ある上級社員は次のように語る。「この株が上がるだろうとか下がるだろうとか説明できるような、個別の賭けはしない。 どの賭けも、ほかのすべての賭け、わが 社のリスクプロファイル、そして、近い将来または遠い将来に予想される行動に基づいて決まる。それは巨大で複雑な最適化 計算であって、その前提となっているのは、未来を十分 に精確に予測すれば、その予測に基づいて儲けることができるし、リスクやコスト、影響や市場構造を十分に理解すれば、徹底的にてこ入れできるという考え方だ」

グレゴリー・ザッカーマン. 最も賢い億万長者〈下〉――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか (Kindle の位置No.2126-2131). ダイヤモンド社. Kindle 版.