みなさん、こんにちは。
今回の題材は、半導体業界において非常に重要なメモリ関連株についてです。
このブログの内容は下の動画でもまとめていますので是非ご覧ください。
目次
- メモリとは?
- メモリメーカーと関連銘柄
- メモリのサイクル
- メモリ株に投資する際の注意点
- 今メモリ株を買うかどうか?(個人見解)
メモリとは?
メモリは、情報を記憶するための半導体です。
特に有名な半導体種類は、2種類あります。
・DRAM(ディーラム)
情報を記憶する中でも短期記録型半導体です。
電源を切ると情報を忘れてしまうという揮発性という特徴があります。
情報を保持しないため容量は小さいですが、処理速度は非常に早いです。
・NAND(ナンド)
長期記録ができる半導体です。
不揮発性という特徴があり、DRAMと反対に電源を切っても情報内容を保存して、長期的に大量の情報を保持できます。
容量が大きいので、処理速度はDRAMには劣ります。
この2種類とも身近なスマートフォンでも使われています。
例えば、スマートフォンで色々なアプリを同時に操作したい場合は、
短期記録でDRAMの早い処理が求められます。
一方、たまに聴きたくなる音楽(何万曲とダウンロードできますもんね)は、
NANDに記憶されて私たちの生活に彩を加えてくれています。
このように私たちにかなり近い場所で大活躍してくれている、DRAMとNANDは
多くの電化製品に使われています。
メモリメーカー
DRAM
・サムスン(韓国)…DRAMで一番高いシェアを持っています。
・ハイニクス、マイクロン
・その他台湾勢(Ex.イノテラ)
現状はサムスン、ハイニクス、マイクロンの3社で市場シェアはほとんど占めています。
その他台湾勢ではシェアも低く、技術も先端ではないという状況です。
日本勢は、かつてエルピーダという企業がありましたが、破産してしまい、2013年にマイクロン(米)に買収されました。ただ、現在も広島県内に工場は残されています。
NAND
・サムスン(韓国)…NANDでもトッププレイヤー!
・ハニクス、マイクロン
・キオクシア(東芝メモリ)
の4社です。
実は、日本のキオクシアがシェアでは2番手で、メモリの半導体で日本唯一の半導体プレイヤーです。
メモリに関係が深い銘柄
先ほど紹介したようにDRAM日本のメーカーが無いですが、
日本の投資家がDRAM分野に投資したい際には半導体製造装置メーカーや、電子材料メーカーといったところの日本企業のメモリ関連銘柄に投資するということもできます。
以下メモリ関連銘柄で有名な企業です。
・東京エレクトロン
メモリ以外にも売上が多岐にわたっていますが、メモリも構成要素としては大きいのでメモリ関連銘柄としてみられます。
・アドバンテスト
昔からメモリが強いと考えられている企業です。最近は5G用途向けのロジックチップも製造したりと大きく成長してる会社ですが、まだまだメモリの市場シェアも高いのでメモリ関連銘柄としてみられます。
・東京応化
半導体の電子材料であるレジストを作っている会社です。こちらは特にNAND向けの売上比率が高いので、NAND関連銘柄になります。
・日本マイクロニクスなど他多数
メモリのサイクル
上図はマイクロンの四半期毎の営業利益推移です。
少し見辛いのですが、0を下回っているところでは赤字となっています。
こう見ると、営業利益率が上がったり下がったりを繰り返しながら全体として緩やかに成長していることがわかります。
直近では2019年から悪化していたところから2020年に入ってから、
横ばいになり始めていることが見受けられます。
メモリ株を買う際の注意点
こういったサイクルがあるということは、メモリ関連銘柄に投資すると良い時期と悪い時期があるということがわかります。
ベストタイミングは、収益性好転の少し前です。
好転してしまうと、それを期待して株価は先に業績がよくなる前に上がってしまうので、投資家が見定めているような時期に買うのがベストと言われています。
次点は、収益が好転したらすぐです。
収益が好転するかどうかわからない恐怖感があるので、良くなる兆しが見えてから買いたいという方もいらっしゃると思います。それはメモリ投資においては少し遅いという感覚はありますが、そういった方はこちらの好転したらすぐに買うということで良いと思います。
最悪なタイミングは、収益が絶好調の時です。
メモリ関連株は非常に値動きが激しいので、調整局面に入ってしまうと数四半期は悪い状態が続きます。
収益が絶好調の時に投資してしまったが故に、しばらく高値づかみということでなかなか値を戻さないということがあり得ます。
今メモリ株を買うかどうか?
先ほどのマイクロンの四半期毎の営業利益の推移でも記述しましたが、
2020年に向けて、下げ止まってここから回復するかどうかという局面に来ています。
こちらがマイクロンの株価の推移です。
現在8月7日時点で48ドルです。
これは過去5年間のピークである60ドル強から10%〜20%程度下がっていますが、ピークからそれほど大きな下落はしていないというところです。
直近の底値から株価は一度上がってから横ばいになっていて、これから先もある程度期待値はあるような気がします。
今までの状況を整理していくと、
先ほど記述したサイクルの転換(損益悪化→好転)は既に過ぎている状況です。ということは、一番投資したかった「これから良くなる!の少し前」をベストタイミングでは無いということです。
株価もピークまで20%程度まで戻しましたし、ここからマージンの回復も期待できるようには見えます。一方で、メモリは非常に景気に敏感な分野です。社会の経済活動が低下すると、人々は電化製品を買わなくなる、工場への投資も減る、そうなると使われるDRAMの量も減っていく、という流れになってきています。
現在はコロナの影響で、本当に期待しているほどマージンが戻るかわからないというところもちゃんと考えなければなと個人的に考えております。
ここまでの景気動向を考えると、リスクリターンは微妙なので、今は買い時でないというのが私の今の見解です。
もちろん株価水準や市場の環境が変われば、この考えも変わります。
こういう風に変化があって、刺激的。それが株の良さでもありますよね。
今日もうみがめの半導体株調査部を読んでくださりありがとうございました!
これからもがんばっていきまっしょい!
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「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。
私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。