こんにちは、元証券マンのうみがめです。
今日は有望な中小株についてお伝えします。
株価倍増の条件
- 時価総額が3000憶円以下
時価総額が仮に一兆円を超えても株価は3倍にはなりませんので、数百憶円~3000憶円以下のところベースにして選びました。
- 半導体サイクル以外の魅力
半導体関連企業は半導体のサイクルがかなり影響してきます。
半導体サイクルが良くなる+αの何かがある企業、
半導体株が上がるときはみんなと一緒に上がって、
逆に下がる時は、少しでもストップがかかるものがいい銘柄かなと思います。
例えば、業績転換がある株(赤字が黒字になる、万年業績がさえていなかったのが、急に良くなる、EUVやGPUなどの技術変化の流れに乗っている銘柄)がいいかなと思います。
どんな株に投資するにも、このように投資テーマがあることが大事になってきます。
今回の紹介銘柄
- ジャパンマテリアル(6055)
- テラプローブ(6627)
- オルガノ(6368)
- TOWA(6315)
- 三益半導体(8155)
ジャパンマテリアル
半導体工場でガスなどのインフラのサービスをしている会社です。Sonyなどで特殊ガスや超純水などの保全管理をしています。
とても精密な作業が必要なため、半導体をつくるためにはガスや水の管理が非常に重要になります。
時価総額は1500憶円、株価は1421円です。
ROE(自己資本利益率)が22.40%
ROA(総資産利益率)が16.24%
と非常に高く、高収益な企業というのがわかります。
PER(株価収益率)が26.2倍と高めですが、これまでの業績成長を見ていると納得の数値です。
ジャパンマテリアルの業績は年々のびています。その理由としては、お客さんの半導体企業が投資に積極的なことが挙げられます。例えば、ソニーや東芝、キオクシアなどが工場を拡張する際にこのようなインフラの管理請負を受託するのがビジネスモデルになっています。
利益体質も強靭で、毎四半期黒字利益を出しています。
キャッシュフローも順調に出しています。
最近は半導体業界の雲行きが怪しくなってきていますが、この悪いフェーズを抜ければ、ジャパンマテリアルに対する需要も増えるので有望かなと思います。
テラプローブ
こちらは先ほどのジャパンマテリアルとは打って変わって、
財務状況は優秀ではない、むしろ危険な会社です。
ROEが-1.05%と赤字で、
ROAが-0.41%、
PERが0.29倍と1倍を下回ると割安となりますが、さらに下回ってます。
正直、企業としての存続も危ぶまれています。
時価総額は69億円です。
テラプローブは、半導体のテスト受託会社です。
台湾のPowertech Technologyの子会社です。
半導体はテスターという機会を使って正常に作動するかをテストするのですが、
アドバンテストなどからテスターを買って、テストの工程を代わりに請け負うことをしています。
もともとは、エルピーダ(今はもうないですが)が顧客でしたが、エルピーダが買収された先のマイクロンがあまりテラプローブを使ってくれなかったので、一時期は業績がとても厳しくなってしまいました。
現在はルネサスエレクトロニクス需要を受けており、少しずつ回復しています。
売り上げの長期トレンドは、何年かに一度赤字がある形で、本当に心配になってしまうのですが、これまで何年かの業績を見てみると赤字→黒字への転換に成功しているので、現在の業績はあまりよくありませんが、これからまた黒字へ戻るとしたらチャンスかもしれません。
現在の状況は経営すら危ない状況ですが、ルネサスエレクトロニクが利益を上げればその恩恵を存分に受けれる立場にいるテラプローブは再評価を受けれるかもしれないので注目しています。
オルガノ
超純水処理装置を提供している会社です。
顧客はかの有名なTSMCで高いシェアを持っています。
時価総額:600億円 中小型にしては高めです
PER(株価収益率)13倍
PBR(株価純資産倍率) 1.03倍
配当利回り 1.92%
と割安に見えます。
変なバリュエーションがついていないので、
というところで利益がきちんと上がっていけば、時価総額もまだまだ上がることが期待される会社です。
長期業績推移はリーマンショックで一度落ちましたが、
それ以降は着実に伸びてきています。
今まで成長出来てきた理由はTSMCが巨額の設備投資をしてきたからですが、
TSMCも投資をずっと続けられるわけではありません。
その懸念がバリュエーションの安さにもつながってきているのかもしれません。
短期的な調整局面はあるかもしれませんが、TSMCがアメリカに工場をつくるという話も出てきているので、将来的にはオルガノへの需要も上がるので、エントリーをしても面白いかもしれません。
TOWA
時価総額:284億円 低いのが魅力的です。
PBR(株価純資産倍率):1.05倍
配当利回り:1.41%と低くありません。
ROE:1.35% と低めであまり業績がいいとは言えません。
しかし、この会社も半導体サイクルがいい方向に向けばかなり再評価が期待できる会社です。
TOWAは半導体の後工程の製造装置を作っている会社です。
顧客はサムスンから始まる幅広い層を対象にしています。モーリング装置が強い企業です。
モーリング装置はパッケージングにおいてより重要になってきています。
モーリング装置が強い会社なので、半導体サイクルがアップサイクルに入れば、恩恵を受ける企業だと思うので紹介させて頂きます。
三益半導体
再生ウェハを作っている会社です。
こちらは再生ウェハで一番高いクオリティを発揮しているといわれている会社です。
時価総額:721億円
PBR(株価純資産倍率):1.03倍 あまり割高感はありません。
こちらは信越化学の子会社という位置づけです。
少し面白いなと思うのは、現在親子上場というのは見直されていますが、
もしかしたら信越化学がTOBする可能性もあります。
*TOB =“株式公開買い付け(Take Over Bid)”の略称で、上場企業の発行する株式を、通常の市場売買でなく、あらかじめ買い取る「期間」、「株数」、「価格」を提示して、市場外で一括して買い付けること
売り上げ利益は、2013年をボトムに現在までプラスで推移しています。
四半期利益もほとんど黒字でとても優秀です。
キャッシュフローも毎年確保し、近年は投資にも回していました。
非常にニッチな再生ウェハという分野で高い競争力をもっていること、
半導体の王者である信越化学の子会社としてビジョンが堅い、
信越化学がいつか吸収するかもしれないというプレミアムアップサイドも持っている銘柄として非常に面白いのではないかと思います。
というわけで、私が個人的に有望だと思う半導体の中小型株でした。
投資はくれぐれも自己責任でお願いしますが、
何か参考になった!やこんな発想があったか!
などみなさまの気づきを発見するお手伝いができればうれしく思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
株式投資がんばっていきまっしょい!
半導体株や半導体業界を勉強するなら下記の本がおすすめです。
「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。
私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。