うみがめ半導体株調査部

元証券マン。半導体株投資や有望中小型株について書いてます

半導体製造装置のトップ企業、アプライドマテリアルズ株について解説

みなさん、こんにちは。

今回は、東京エレクトロンのライバルであり、

世界トップ級の半導体装置メーカーである、

アプライドマテリアルズについてご紹介したいと思います。

 

目次
  • 必要不可欠な存在、AMAT
  • バランスの取れた強靭な企業
  • 傑出したCEO
  • AMATの決算を聞こう!

 

 

半導体において必要不可欠な存在アプライドマテリアルズ(AMAT)

 1967年に創業していて、長年半導体製造装置ではシェアトップ級です。

近年は露光装置のASMLと厳しい戦いをしていますが、プロセス装置の分野ではダントツトップのシェアを誇っています。

インテル、TSMC、サムスンなどの半導体企業が顧客となっています。

実は2013年に東京エレクトロンと統合する計画がありました。

巨大な半導体製造装置企業が爆誕するはずだったのですが(CEOのゲイリー氏も来日して統合秒読みまで進んだのですが)、2015年に破談になりました。当時の噂では、半導体製造装置メーカーがとてつもない力をもってしまうと、半導体メーカーの権限がなくなってしまうのではないかと危惧し、ロビー活動して統合を中止させたという話もあります。

その後、東京エレクトロン含めた半導体製造装置業界は好況になったので、統合が成立しなくてよかったのかな?というのがあります。

 

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こちらがアプライドマテリアルズ(以下AMAT)の事業別の売上高と営業利益の構成比です。

左側にセグメントがあるのですが、上からSemiconductor Systems(半導体製造装置)の装置売上、次にApllied Global Services(サービスソリューション)があります。

サービスソリューションとは、半導体製造装置は装置を販売したら終わりではなく、その後もメンテナンスやリペアなどで利益を生むことができるビジネスです。こちらの構成比が26.4%とかなり占めています。最近は、装置を売るだけでなくこういったサービスでも儲けることができてきているのです。

その下がDisplay and Adjacent Markets、こちらは基本的にディスプレイ向けの製造装置です。AMATは、有機ELやLCDなどでスマホやテレビに使われるパネル向けの製造装置も手掛けているところが特徴で的です。

非常に高い利益率をどの部門でも出していて、高収益で強靭な企業というのがわかります。

 

バランスの取れた強靭な企業

 

・イオン注入装置、PVD装置では90%近い独占的なシェアです。

これらの装置は半導体製造過程において欠かせないので、AMATが装置を製造しないと半導体が作れません。

非常に製品幅が広く、質が高いので、統合ソリューションが可能です。近年、半導体の高性能化に伴い半導体の製造プロセスがどんどん複雑化されています。装置一つ一つの連携が非常に大事になると言われているので、統合ソリューションができる製品ラインナップを持っているというのも魅力です。

顧客バランスが良いというのも特徴です。

アメリカの競合であるラムリサーチや東京エレクトロンですと、少しメモリ向けが多いですし、スクリーンホールディングスですと少しファウンドリ向けが多いかな、という特徴があります。しかしAMATでは、どの半導体のアプリケーションやデバイスが伸びても恩恵を受けれるバランスの良さがあります。

・ディスプレイ製造装置も強く、例えばサムスンのフレキシブルOLEDディスプレイ向けの製造装置を提供するなどしているので、OLED関連が盛り上げると恩恵を受けることができます。しかし残念ながら現在はディスプレイのところは起爆剤にはなっていません。

M&Aに積極的で成功しています。例えばVarianという会社を買収して、シェアトップになったり、日立国際もこれから買収する計画です。このようにキャッシュをうまく使えるのも魅力です。

 

 

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続いて長期の営業利益を見ていきましょう。

棒グラフは売上、赤い折れ線が営業利益です。

半導体にはサイクルというのがあるので、上がったり下がったりがあるのですが、

下がったボトムから前回のピークを更新するまでどれくらいかかるかという観点で見ると、2009年にボトムになってから、2011年はピークを回復しています。非常に早くリカバリーできることがわかります。次は2013年ボトム、2017年には2011年のピークをきちんと超えてきています。波はあれど、しっかりと回復する力のある会社というのがわかります。

 

 

傑出したCEO

 

この会社の特徴的なところCEOのゲイリー・E・ディッカーソンです。

彼は、AMATが買収した会社のバリアンセミコンダクターという会社のCEOだったのですが、あまりにも優秀だったので統合した時からAMATでもCEO務めるという凄い方です。

報酬も10億円を超える超敏腕ビジネスマンですが、それに見合う結果を出せています。半導体製造装置のトップ企業であり続け、M&Aを成功させたり、株主還元も積極的です。

 

株主還元についてもう少し詳しく!

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こちらの会社はアメリカ企業なので毎四半期配当を出します。

そして、過去減配したことはありません。絶対にしないというわけではないですが、徐々に配当を上げていくことをしています。

 

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現在の配当利回りですが、1.36%で次の配当が8/19なのであと少しです。

配当は安定的に出してくれると言うことに加えて、

時折積極的に借倍をしてくれます、例えば2017年に発表された記事によると、2020年までに$3billion (約3000円億強)買い戻しをすると発表しています。2019年に東京エレクトロンも1500億円程度自社株買いを発表していて、話題になりましたが、AMATは毎年1000億円程度自社株買いをするので、株主総還元という意味で非常に優れた会社といえます。

 

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こちらはAMATの株価ですが、非常に安定しています。

2018年のピークをコロナ前に超えていて、コロナで影響を受けても既に回復をしているという状態です。例えば、アメリカの競合のラムリサーチの方が株価パフォーマンスは一見良いように見えるのですが、顧客バランスに課題があるので劣っている部分があります。

 

AMTAの決算カンファレンスコールを聞こう!

 

カンファレンスコールは、決算の際にCEOのゲイリー氏が話してアナリストが質問をするという機会です。

こちらの魅力は会社の情報だけで無く、市場の見通しも説明してくれるところです。

・半導体市場

以前はかなり強気一辺倒な内容でしたが、近年は割とバイアス無く話してくれている感じがします。

・WFEの見通し

WFEとは、半導体製造装置の前工程製造装置の市場です。AMATや東京エレクトロンが事業を行っている分野の市場見通しを、彼らの高いリサーチ力で説明してくれるので見ものです。ここで見通しを上げたり下げたりすると、AMATだけでなく他の株価にも大きな影響が出ます。

・競合状況

名指しにはしませんが、東京エレクトロンやラムリサーチ、日立ハイテクなどについてどういう製品でシェアを取ったという話をしてくれます。

 

決算が日本時間の8月14日、今日の朝発表されましたね!

週末にお時間のある際にリプレイを聞いていただくと非常に勉強になると思います。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

今日も暑かったですね!寝る前も水分補給しっかりしていきましょう!

株をがんばっていきまっしょい!

 

 

半導体株や半導体業界を勉強するなら下記の本がおすすめです。

「半導体が工場でどうやって製造されるのか?」、「半導体工場は水や電力等のインフラはどうしているのか」「半導体製造装置はどのように並べられるのか」、等ネットでは入手できない知識を得れます。 

私は何年も前に読みましたが、今でも読み返します。個人的には、これほど半導体に関する有用な知識が得られた本はありませんでした。他の人より1歩も2歩も知識で差がつけられると思います。